部下が辞めていく職場に必要な「心理的安全性」って何?

部下が辞めていく…そんな上司の皆さんへ|心理的安全性

部下が辞めていく…そんな上司の皆さんへ|心理的安全性

◇こんな人にお勧めの内容◇

今回は部下の育成や教育、コミュニケーションにお悩みの上司や中間管理職の方に向けたコラム記事となります。

   ・異動してきた部下が1年を経たずに転職していく

   ・最近、新卒社員の元気がない

   ・職場に5月病が蔓延している

   ・中途採用の方が試用期間で終了し転職していく

 昨今、多くの企業で新卒社員や中途採用者の早期離職や転職が問題となっています。例えば、ある企業では新卒社員の約30%が入社半年以内に退職するという事態が発生していました。理由を調査したところ、多くの社員が「職場の雰囲気が合わない」「上司や同僚とのコミュニケーションがうまく取れない」と答えていました。特に、「上司が高圧的で、意見を言いづらい」という声が目立ちました。こういった不満を放っておくと早期離職や転職に繋がっていきます。

今回はこんな悩みをお持ちの上司の皆様やマネージャー、人事部門の方に、是非とも読んで頂きたい記事になっています。

 

部下が辞めていく職場に必要な「心理的安全性」

\\ 新人や部下が辞めていく理由は何でしょうか。 //

 転職理由の上位には、人間関係が挙げられます。職場の環境や同僚、先輩とうまくいかなかったという声もある中で、特に「上司が合わなかった」という声は多いです。先輩や同僚とは一定の距離感を保ちつつ接することも可能ですが、上司となると必然的に接する時間が長くなりますし、部下は上司の仕事のやり方に従うしかありません。

部下と良好な関係を築くためには、まず「心理的安全性」を意識してみましょう。


心理的安全性(psychological safety)」とは、組織の中で自分の考えや気持ちを誰に対してでも安心して発言できる状態のことです。

 組織の中で自分の考えや気持ちを誰に対してでも安心して発言できる状態のことです。これは組織行動学を研究するエドモンドソンが1999年に提唱した心理学用語で、「チームの他のメンバーが自分の発言を拒絶したり、罰したりしないと確信できる状態」と定義しています。

 

心理的安全性が低い状況とは・・・

 例えば、職場の上司や上位役職者が高圧的でいつも重苦しい雰囲気を出しているため、会議の場などで思ったことを提案できなかったり、否定されるのではないかという心理的な圧迫を感じてしまう状況のことを指します。世代によっては、自分の世代は上司に否定されるのは当たり前だったという方もいるかもしれませんが終身雇用制度が崩壊した今、職場環境や人間関係に不満が出てくると容易に転職してしまいます。

「心理的安全性」が保たれていない場合、新たに人を雇い入れたとしても、また同じ理由で辞めてしまうでしょう。

逆に『心理的安全性』が高い状況とは・・・

 否定される、非難されることなく受け止めてもらえるという『安心感があるため、質問やアイデアが活発に行われ、率直に発言することができ、前向きな意見交換ができる状況となります。会社としての目的は生産性を上げて利益を出すことです。社員が気持ちよく働ける環境を作るのも上司の仕事だと思います。


◎具体例1:高圧的な上司の下で働く新卒社員

 ある企業の営業部では、新卒社員のAさんが入社しました。しかし、Aさんの上司であるBさんは非常に高圧的で、ミーティングの際には部下の意見を否定することが多く、厳しい言葉で指摘を繰り返していました。Aさんは次第に自分の意見を言うことをためらうようになり、仕事に対するモチベーションも低下していきました。結果として、Aさんは入社から4か月で転職を決意して退職しました。

◎具体例2:意見を受け入れる職場での成功例

 対照的に、あるIT企業では心理的安全性を重視した職場づくりを行っています。この企業では、リーダーシップ研修を通じて、上司が部下の意見を積極的に受け入れる姿勢を学びました。新卒社員のCさんが入社した際、Cさんの上司であるDさんは定期的に1対1のミーティングを実施し、Cさんの意見や感情を聞く時間を作りました。Cさんは自分の考えを自由に話せる環境に安心感を覚え、仕事に対する意欲が高まりました。その結果、Cさんは積極的にプロジェクトに参加し、入社1年でリーダーシップを発揮するようになりました。

◎ぬるま湯組織と心理的安全性は違う

 ぬるま湯組織は、変化がほとんど起こらない、あるいは遅い組織を指します。こうした組織では、新しいアイデアや提案が歓迎されず、変更や改善が進まないことがよくあります。管理層が権威主義的であり、従業員はリスクを取ることを恐れ、イノベーションが抑制される傾向があります。

 一方、心理的安全性のある組織は、従業員が自由に意見を述べたり、提案を行ったりすることができる環境を指します。こうした組織では、失敗や間違いが罰せられるのではなく、学びの機会として受け入れられます。従業員は自分の考えや感情を率直に表現でき、それが尊重されます。このような環境では、イノベーションや問題解決能力が高まり、組織全体のパフォーマンスが向上する傾向があります。

要するに、ぬるま湯組織は変化を恐れる傾向があり、心理的安全性のある組織は変化を受け入れ、成長するための土壌を提供するという点で異なります。

◎退職の時、本当の退職理由は言わない

退職を決意する理由は人それぞれですが、その本当の理由を正直に言うべきかどうかについては、多くの人が悩むところです。職場の人間関係や仕事の内容、待遇に対する不満などが本当の理由であることが多いものの、それを率直に伝えることが必ずしも良い結果を生むとは限りません。この記事では、退職時に本当の理由を言わない方が良いとされる理由と、その代わりにどのように対応すべきかについて詳しく説明します。

◎本当の退職理由を言わない方が良い理由

1. 人間関係のトラブルを避けるため

退職の本当の理由が上司や同僚との不和である場合、その事実を正直に伝えることで、残る人々との関係が悪化する可能性があります。特に、退職後も同じ業界で働く予定がある場合、過去の職場での人間関係が悪化することは避けたいところです。人間関係のトラブルは、その後のキャリアにも影響を与えることがあります。

2. プロフェッショナリズムを維持するため

プロフェッショナルな姿勢を保つためには、退職理由を建設的かつ前向きなものにすることが重要です。「新しい挑戦をしたい」「スキルをさらに向上させたい」といった理由は、どのような状況でもプロフェッショナルに映ります。これにより、会社側に悪い印象を与えず、将来的なリファレンスを求める際にも好印象を持たれるでしょう。

3. トラブルを避けるため

会社や上司に対する不満を正直に伝えると、感情的なトラブルに発展する可能性があります。特に、退職理由を伝える場面で相手が感情的になった場合、その後の手続きがスムーズに進まなくなることがあります。平穏に退職手続きを進めるためにも、本当の理由は言わない方が良い場合があります。

 

「承認欲求」と「心理的安全性」を意識してみましょう

「承認欲求」と「心理的安全性」を意識してみましょう

人は誰でも『認められたい』『承認されたい』という承認欲求があります。これはマズローの5段階欲求にも含まれている基本的な欲求です。この『承認欲求』が満たされれば、その組織に属していたいという帰属意識が生まれてきます。これが『愛社精神』であったり『チームワーク』というものに強く結びついていると考えられています。

Googleでは「生産性が高いチームは心理的安全性が高い」との研究結果を発表したことで強い関心が持たれ、心理的安全性を高めることで個人や組織の効果的な学習や革新につながると期待されています。

◎心理的安全性を高めるための具体的なステップ

(1)オープンなコミュニケーションを促進する

定期的な1対1のミーティングを設けて、部下が自由に意見を述べられる場を作る。

フィードバックを積極的に求める姿勢を見せる。

(2)ミスを恐れない文化を築く

ミスを責めるのではなく、そこから学ぶ姿勢を強調する。

ミスを共有し、改善策を一緒に考える場を提供する。

(3)多様性を尊重する

様々なバックグラウンドや考え方を尊重し、異なる意見を歓迎する風土を育てる。

インクルーシブな環境を作り、全員が公平に発言できるようにする。

(4)リーダーシップの透明性を高める

経営方針や組織の目標を明確にし、全員が理解できるように説明する。

重要な決定についてはその背景や理由を共有する。

(5)感謝の気持ちを表す

日々の業務に対して感謝の言葉をかける。

成果を上げた部下に対しては、公に認める場を設ける。

◎さらなる参考資料と実践方法

 書籍

  心理的安全性について深く学びたい方には、エイミー・エドモンドソン著『The Fearless Organization』が参考になります。

 ・セミナーや研修

  心理的安全性をテーマにしたセミナーや研修に参加し、実際の職場に応用できる具体的なスキルを学ぶ。

 ・社内ワークショップ

  定期的に社内でワークショップを開催し、全員が心理的安全性の重要性を理解し、実践できるようにする。

 

◎まとめ

 心理的安全性を高めることで、部下が安心して発言し、意見交換が活発になり、チーム全体の生産性が向上するでしょう。部下が転職をしたり辞めていく現状を改善するために、心理的安全性を高める取り組みを始めてみてください。それが、部下との信頼関係を築き、組織全体の成功につながる第一歩となるでしょう。

また、心理的安全性の向上は、一朝一夕で成し遂げられるものではありません。継続的な努力と意識が求められます。上司自身が率先してオープンな姿勢を示し、部下の意見や感情に耳を傾けることが重要です。社員一人ひとりが安心して働ける環境を作り上げることが、長期的な成功と持続可能な成長に繋がるのです。

あなたの職場でもこの『心理的安全性』を意識してみませんか!?

 きっと『承認の世界』が待っているはずです。


 グローバルスタイルではリンクコンサルティング事業を通してキャリアアップの支援や職場のコミュニケーション能力やモチベーションの向上、転職のサポートなど労務や・採用・キャリアコンサルなど実践型のコンサルティングを行っています。もっと詳しい内容に興味のある方は下記のURLよりご連絡下さい。

 

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