製造業用語辞典(ハ行)

製造業用語辞典(ハ行)

製造業でよく使われている専門用語を50音別にまとめている用語辞典です。このページでは、ハ行の専門用語をご紹介します。

配線

信号や情報、電源、電気信号などを伝達する導線や、光信号を伝えるための光ファイバーなどを構成するもののことです。伝送路を形成するために用いられるワイヤーやケーブルなどを配線と呼び、ワイヤーやケーブルそのもの自体を指しません。

 

配電盤

電力会社から送られてくる高電圧の電気を、適した電圧に変換するための装置です。また、配電盤は設置されている分電盤に電気を送る役割も担っています。

 

ハイブリッド

複数の要素を組み合わせて生み出される製品、あるいは混成した部品から構成される機械を指します。

 

ハインリッヒの法則

1件の重大事故の背後には、29件の軽微な事故が存在しており、300件のヒヤリハットが潜んでいるという、労働災害における経験則の一つです。その比率から「1:29:300の法則」と呼ばれることもあります。

 

歯切加工

歯車の歯形に仕上げる加工のことです。品物を固定しボブと呼ばれる刃物を回転させながら近づけ、上から下、または下から上へと動かして、歯車の歯の部分を作る「ボブ加工」が多く用いられます。主に金属部品に施されますが、プラスチックや樹脂も加工可能です。

 

歯車

歯のついた円盤を設置して、歯が次々に連続して噛み合うことで、一方の軸から他方の軸へと動力を伝える装置のことです。「ギア」もしくは「ギヤ」とも呼びます。円柱の外側に歯を付けたものが主ですが、内歯車という内側に歯をつけたものもあります。また、歯車の形状や歯のピッチを変えることによって、動力を伝える範囲や力の強さ、回転数を調整することができます。

 

バックライト

液晶ディスプレイの表示面を後ろから照らす光源のことです。液晶物質自体は発光しないため、画面を表示するために用いられます。小型液晶やノートパソコンなどにはエッジライト方式が多く、大画面の液晶テレビには直下型方式が使われています。

 

バッファ

英語の「buffer(バッファー)」から由来し、「緩衝材」「緩和物」の意味です。ビジネスの場では、業務や工数などの「余裕」や「予備」、「ゆとり」といった意味合いで用いられています

 

バリ取り

金属や樹脂などの加工時に発生した「バリ」と呼ばれる突起を取り除く作業のことです。バリが残っている状態では、部品を正確に組むことができず、精度や品質の低下、故障などトラブルを引き起こす原因になるため、製品の信頼と性能を確保する上で重要な作業工程といえます。

 

バルブ

流体(液体や気体)が通る路の開閉や調節など制御を行う装置のことです。家庭用の水道やガス、給湯器などの一般的なものから、タンクやボンベなどの産業設備に使用されています。

 

パレット

荷物を載せて運ぶための荷役台のことです。単位数量をまとめて荷物を載せる面があり、フォークリフトやハンドリフトなどの爪を差し込んで持ち上げ、荷物を一度に運ぶことができます。輸送や荷役の他、物品を保管する際にも用いられます。パレットの種類には、木製やプラスチック製の平パレット、シート型のパレットなどがあり、重量のある荷物の場合は金属製のパレットを用いることもあります。

 

板金

薄く平らに形成した金属を指します。切断、曲げ、打ち抜き、溶接により、様々な形状に加工することができます。家電製品や建築物、自動車、産業機械など幅広い分野に用いられています。

 

はんだ

金属部品などの接合に利用される鉛と錫を主成分とした合金です。電子部品をプリント基板へ固定したり、金属同士を接合したりするのに使われています。物理的な接合だけではなく、電子部品や基板に電気が届けることで、電子機器が作動する役目を果たしています。

 

半導体

電気を通す「導体」と電気を通さない「絶縁体」の中間的な物質のことをいいます。使い方次第で、導体もしくは絶縁体のどちらの役割も果たします。この性質を応用して、トランジスタやダイオードなどの半導体素子に利用されています。

 

ハンドリフト

パレットに積んだ荷物を人力で移動するための器具です。リフトの先端についている爪をパレットに差し込み、油圧によってパレットを持ち上げ荷物を移動させます。例えるなら「手動式のフォークリフト」です。狭い場所での移動や正確な位置にパレットを配置することに適しています。

 

ヒートパイプ

熱伝導性の高い材質の真空パイプ内に少量の作動液を封入したもので、熱の移動効率を上げる技術の一つです。ヒートパイプの一部を加熱すると作動液が蒸発し、圧力差から低温部へ蒸気が移動して、外へ放熱し元に戻る、この現象を繰り返すことで熱を運びます。NASAで人工衛星中の放熱に利用されていましたが、現在では電子機器の冷却などに使用されています。

 

ビス

小さなネジで、外側にらせん状の溝がある雄ネジのことを指します。頭の部分に直線の溝、もしくは十字型の溝があり1~8mmほどの小さな径をしています。金属と接合する際には、ナットと組み合わせて使用することが多いです。

 

ピストン

シリンダーに内蔵される円筒形の機構です。蒸気機関や内燃機関のシリンダー内を往復運動する機械部品で、流体を圧縮したり流体から圧力を受けたりして、エネルギーの受け渡しをします。

 

ピッキング

注文や指示に応じて、品物を探して集める作業のことです。ピッキングの方法は2種類に分けられます。1つの梱包ごとに品物を集めてくる「シングルピッキング(摘み取り方式)」と、複数の受注を合算し、品物の種類ごとに必要な数量を集めてくる「トータルピッキング(種まき方式)」があります。

 

標準3票

工程別能力表・標準作業組合せ票・標準作業票の3つの帳票類のことを指します。トヨタ生産方式の標準作業を見える化する際に活用するツールです。

 

ファインセラミックス

高純度の原料から作られる高機能なセラミックスのことです。高度に精製や合成された原料を使い、製造工程において精密な制御を行うことで、耐熱、耐摩耗、耐食性、電気絶縁性、導電性などにすぐれた性質を持ちます。液晶パネルや電子管、半導体部品のパッケージなどに用いられています。

 

フォークリフト

重量物の荷物を積み上げたり移動したりするための運搬機械のことです。車体の全面に二本のフォーク(爪)を備え、荷物の下部やパレットに差し込み、持ち上げて運搬を行います。機種によって異なりますが、積載能力は数百kg〜数十tまでと幅広いです。荷役機能のほかに小回りの利く動作を兼ね備えているため、主に工場や倉庫で使用されています。

 

複合材料

金属やプラスチック、セラミックスなど、2つ以上の異なる素材を組み合わせた材料のことです。単独素材では得られなかった性質を発揮する特徴を持っています。例えば繊維強化プラスチックの場合、プラスチックをガラス繊維や炭素繊維、アラミドなどによって補強したもので、金属材料に比べて強度や剛性が高く成形性に優れています。

 

複層ガラス

複数枚の板ガラスを重ねたその間に、乾燥空気や質量の重いガスを封入したガラスのことです。遮音性や断熱性能に優れ、結露にも強い特徴があります。空調のエネルギー消費量を抑えるため、多くの先進国では複層ガラスの利用が義務化されています。

 

フッ素樹脂

フッ素原子を含む合成樹脂の総称のことです。耐熱性や耐薬品性、低摩擦性、絶縁性などに優れ、食品や化学、半導体、電子機器、輸送など幅広い分野で活用されています。一般的にフッ素樹脂のことを「テフロン」と呼ばれていますが、これはケマーズ社が製造する商品名にあたります。

 

フライス

円板または円筒形で複数の歯が付いた切削工具です。加工する際は、切削工具を取り付けたフライスを回転し、作業台に取り付けた加工物を上下、左右、前後方向に移動させます。工具を使い分けて加工物の表面や曲面、溝を削るなど様々な加工を行います。工具を取り付ける主軸が作業台に対して直角のものを「たて型」、作業台の面に対して平行のものを「よこ型」といいます。主に金型や歯車、機械部品などの加工に使用されます。

 

プラスチック

石油を原料とした高分子化合物質の一つです。熱や圧力を加えると自在に変形する性質があり、簡単かつ安価で大量に製品を作ることができます。身近な日用品から建築材料、機械部品など、幅広い分野で様々な製品に用いられています。「ポリ塩化ビニル」「ポリスチレン」「ポリプロピレン」「ポリエチレン」は、四大プラスチックと呼ばれており、世界のプラスチック生産量の60%以上を占めています。

 

プリント基板

導体の配線が施された絶縁体でできた板に、ICやコンデンサなどの電子部品が取り付けられていない状態を「プリント配線板」と、電子部品がはんだ付けされて電子回路として動作する「プリント回路板」の総称です。

 

プレス加工

対となる工具の間に素材を挟み、圧力をかけて成形したり必要な寸法に切断したりする加工方法です。対となった工具を金型、加圧する機械をプレス機械と呼びます。同じものを連続して大量に生産できるのが特徴です。人力で行うハンドプレスと動力によるパワープレスに大別されます。

 

プログラミング

コンピュータに実行して欲しい作業の指示を出すことを指します。コンピュータに理解できる言語を用いて指示を作成します。プログラミング言語にはマイナーなものを含めると200以上の種類があり、作業に適した言語を選ぶことが重要です。

 

プロジェクター

スクリーンや壁などに映像や画像を投影するための装置です。パソコン画像やDVDなどのビデオ映像を、箱型の機械についたレンズを通し、スクリーンや壁などに拡大して照射します。

 

分電盤

サービスブレーカーや漏電ブレーカー(送電遮断器)、安全ブレーカー(配線用遮断器)などを1つにまとめた装置のことです。屋内に送られてきた電気を各部屋へ分配するほかに、電気容量のチェックや屋内配線の安全確保の役目を担っています。

 

ベアリング

機械の中にある軸をなめらかに回転させる部品のことです。日本語では「軸受(じくうけ)」といいます。摩擦によって起きる発熱やエネルギーの損失を減少させ、部品の焼きつきを防ぐために用いられます。回転する部分がある機器には必ずといっていい程に使用されているため「機械産業の米(こめ)」とも呼ばれています。

 

変圧器

交流電力の電圧や電流を変えるための電気機器のことです。変成器、トランスフォーマー、トランスとも呼ばれています。低い電圧に変換するダウントランス(降圧トランス)、高い電圧に変換するアップトランス(昇圧トランス)、電圧を上げ下げ両方に変換できるものをアップダウントランスといいます。

 

ホイールキャップ

車のホイールの上に取り付けるカバーやキャップのことです。ホイールのボルト・ナットやハブ周りへのホコリや水の侵入からサビや腐食を防ぐ役割があります。アルミホイールとスチールホイールの2種類が主流です。

 

防塵マスク

人体に有害な粉塵などの粒子状物質の吸引を防止するために、装着する高性能のマスクのことです。建築現場や工事現場などの作業の際に使われており、アーク溶接の作業の際には防塵マスクの着用が義務付けられています。

 

保護具

作業中の事故および危険から、身体を守るために着用する装備のことです。作業現場や製造工場、化学工場、理科の実験などの環境下において、機器や工具、有害物などを取り扱う作業者には保護具を使用することが原則となっています。作業の種類によって、作業帽、保護衣、保護メガネ、耳栓、保護手袋、安全靴、防毒・防塵マスクなどを用います。

 

ボトルネック工程

生産工程の中で最も生産能力が低い工程を指します。瓶(ボトル)はボトム部分にはたくさんの液体が入りますが、瓶の首の部分は細くなっているため量が少なくなることが言葉の由来です。作業やシステムにおける制約や、上手くいかない原因が発生した時に用いられています。

 

ボルト

ナットと組み合わせて用いられる雄ネジ部品の総称です。機械の組立や建築構造などの固定や締め付けに使われます。一般的に直径8mmより大きい雄ネジで、頭が六角もしくは四角形のものが一般的です。

 

まとめ

製造業でよく使われている専門用語を紹介しました。わからない用語が出てきたら調べて、業務の理解を深めましょう。

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